
主なグランドピアノには3種類のペダルが付いており、役割や使い方が異なります。それぞれの違いについて理解を深めておくと、演奏の質をより向上させられるでしょう。
本記事では、グランドピアノにおける3つのペダルの違いや実際の使い方について紹介します。ペダルの使い方や特徴をマスターし、グランドピアノの演奏技術を向上させたい方は、ぜひ参考にしてください。
グランドピアノのペダル の種類
グランドピアノを本格的に楽しむためには、ペダルの特徴や使い方を把握しておくことが重要です。ここでは、3種類のペダルの特徴やハンドマフラーの効果、仕組みについて詳しく解説します。
ダンパーペダル(右)
3つのペダルのうち、もっとも右側に位置しているのが、ダンパーペダルです。サスティンペダルとも呼ばれています。
通常は鍵盤においた手を離すと、ダンパーが弦を一斉に押さえ、音がすぐに止まる仕組みです。一方、ダンパーペダルを踏むと音は止まらず、すべての音の余韻が続きます。ダンパーペダルを足で踏み込むと、ダンパーが一斉に持ち上がり、すべての弦が開放されて自由に振動できる状態になるためです。
打鍵された音に加えて、ほかの弦による共鳴音が重なることで、演奏に深みと広がりが生まれ、より豊かなハーモニーを表現できます。
ダンパーペダルのテクニック
ダンパーペダルのテクニックには、レガートペダル・ハーフペダル・前踏みペダル・同時ペダルの4つがあります。
とくによく使われる手法が、レガートペダルです。レガートペダルとは、特定の音を打鍵した後にペダルを踏んで離し、次の音を弾いた直後にまたペダルを踏む技法を指します。最初に弾いた音を濁すことなく、新しい音へとなめらかにつなげられます。
ハーフペダルは、文字通りペダルを半分だけ踏んで、柔らかい響きをつくり出すという技法です。ダンパーが弦に軽く触れる程度にペダルを軽く踏みます。音の響きを繊細にコントロールできる点が特徴です。
また、前踏みペダルと呼ばれる技法もあります。打鍵する前でペダルを踏む方法で、より深く強い音を響かせることが可能です。
ほかにも、打鍵と同じタイミングでペダルを踏み込む、同時ペダルという技法があり、音を強調したいときに用いられます。ただし、前踏みペダルと同時ペダルは、音が濁りやすく、使われる機会はあまりありません。
ソステヌートペダル(中央)
3つのペダルのなかで、中央に位置しているのが、ソステヌートペダルです。足でペダルを踏むとダンパーが持ち上がり、踏んだ弦のみが固定される仕組みです。ソステヌートペダルは、あとから弾いた音に影響されないため、特定部分の音や和音のみの響きを調整する際に役立ちます。
なお、ソステヌートペダルを使用する曲はほかのペダルと比べて少なく、使う機会はプロや音大生でもほとんどありません。しかし、効果や仕組みを理解しておくとハイレベルな表現ができるようになり、演奏の幅が広がります。
ソフトペダル(左)
3つのパネルのうち、もっとも左側に付いているのが、ソフトペダルです。通常は、ハンマーが3つの弦を叩くことで1つの音が出ます。一方、ソフトペダルを踏むと弦と鍵盤を叩くハンマーの位置が物理的に横にずれ、叩ける弦の本数が2つに減る分、音がソフトになります。
また、通常とは異なる部分で弦を叩くため、単に音量が小さくなるだけではなく、音色のニュアンスも変えることが可能です。
このような仕組みから、ソフトペダルはシフトペダルやウナコルダペダルとも呼ばれています。シフトペダルは横にずれること、ウナコルダはイタリア語で1本の弦を意味します。
ソフトペダルをうまく使えるようになると、繊細な音色やしっとりとした雰囲気を出せるようになり、演奏全体の表現力が向上するでしょう。
ハンドマフラー
ペダルとは異なりますが、ハンドマフラーと呼ばれる弱音装置が付いているグランドピアノもあります。ハンドマフラーとは、フェルト製の長い布を弦の上に挟むことで音の響きを抑える装置です。
一般的には、棚板の下側にあるハンドレバーを引くことで、フェルトの付いたバーが下がり、音が抑えられる仕組みです。
通常のおよそ10分の1ほどにまで音量を小さくできます。
使い方
ハンドマフラーを使う際は、専用のレバーを引きます。レバーが引かれると同時に、弦とハンマーの間にフェルト生地が挟まり、音の響きが抑えられる仕組みです。また、一度レバーを引くとフェルトは固定されるため、ペダルのように何度も踏み変える必要はありません。
サイレントピアノのような消音装置を取り付ける場合は、ピアノ本体の工事や専用の電子部品の取付工事が必要なため、手間や時間がかかります。一方、ハンドマフラーはもとから備え付けられている機構であるため、工事の手間なく音の響き方を手軽にコントロールできます。
また、ハンドマフラーの消音効果は、アップライトピアノにある弱音ペダルと同様です。そのため、ハンドマフラーに興味がある場合は、まずはアップライトピアノの弱音ペダルで音の聞こえ方の変化を試してみるとよいでしょう。
あるいは、中古ピアノのなかには搭載されているものもあるため、中古ピアノに絞って探してみるのもひとつの方法です。メンテナンスが行き届いた中古ピアノでは、ハンドマフラーを問題なく使用できます。
使用するタイミング
ハンドマフラーは手を使う必要があるため、演奏中の使用は向いていません。では、どのようなタイミングがおすすめかというと、夜間に演奏したいときや近隣住民に配慮したいときなど長時間音を弱めたいシーンです。
ペダルとは異なり、音を弱めたいときに継続して踏み続ける必要がなく、手の動きに集中しつつ、音を弱められます。
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ペダルの演奏記号
ペダルは、基本的に楽曲にあわせて好きなタイミングで使用してよいものです。しかし、曲のなかには、どのタイミングでペダルを足で押したり離したりするのかが楽譜に明記されている場合もあります。
たとえば、ダンパーペダルの場合は、足の踏み込み動作をPed.・P.・con pedale、一方離す動作はsenza Ped.あるいは*で表現されるのが一般的です。ソフトペダルの場合は、一般的に、踏み込む動作をuna corda、離す動作はtre cordaあるいは*と表現されます。ソステヌートペダルの一般的な表記は、踏み込む動作がpedale sostenuto・p.s・Sost.Ped.、離す動作は*です。
なかには、足を踏み込む動作から離す動作までを棒線のみで表現している楽譜もあります。楽譜によって表現方法が異なるため、初心者にとっては慣れるまでは難しく感じるポイントです。
各ペダルの演奏記号を理解し、適切に使用することで、楽譜の意図する演奏に近づけるでしょう。
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まとめ
グランドピアノには、音を伸ばすダンパーペダル、特定の音だけ伸ばすソステヌートペダル、音を柔らかくするソフトペダルの3つがあります。また、ペダル以外では、ハンドマフラーと呼ばれるレバー式の弱音装置が付いているピアノもあります。
しかし、ハンドマフラーは最近のグランドピアノには付いていないことも多く、使いたくても使用できない場合もあるでしょう。そこでおすすめなのが、ピアノのレンタルサービスです。
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