
映画のワンシーンで流れるピアノの音色に思わず心を奪われたり、街角から聞こえてくるクラシックの旋律に懐かしさを覚えたり。
はじめは何気なく耳にしたメロディでも、繰り返し出会ううちに「聴いたことがある」と親しみを覚え、まるで旧友のように感じたことはありませんか。
この記事では、世界中で長く愛され続けている定番 ピアノ曲 を12曲ご紹介します。
こちらの記事では、ピアノの練習曲について解説しています。
初心者がつまづきやすいポイントも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
ピアノ 初心者必見!楽しく上達できる練習曲ガイド
ピアノ を弾けるようになりたいものの、さまざまな事情でレッスンに通うことができない場合、自宅で個人練習をするほかありません。しかし、これまでピアノを弾いた経験がなければ練習するにしても、何から手をつければよいのかわからな […]
Contents
1.エリーゼのために|ベートーヴェン
クラシックピアノの入門曲といえば、まず名前が挙がるのが「エリーゼのために」です。ベートーヴェンが1810年頃に作曲したこの作品は、200年以上経った今でも多くの人に愛され続けています。
曲名の「エリーゼ」が誰を指すのかは長年謎に包まれていましたが、近年の研究では「ベートーヴェンの知人の妹である可能性が高い」とされています。そんなミステリアスな背景も、この曲の魅力のひとつでしょう。
冒頭の有名なメロディーは取り組みやすいですが、曲の中間部は指の速い動きや和音連打などがあり、難易度が上がります。とはいえ、全体を通して短く構成されているため、ピアノを久しぶりに弾く方でも挑戦しやすいのが特徴です。
2.子犬のワルツ|ショパン
ショパンの「子犬のワルツ」は、ピアノを習う人なら誰もが憧れる名曲のひとつです。この曲には愛らしいエピソードがあります。ショパンが恋人ジョルジュ・サンドの飼っていた子犬「マルキ」が、自分の尻尾を追いかけてくるくる回る姿を見て即興的に作曲したと言われています。
軽やかで弾むような3拍子のワルツは、まさに子犬の愛らしさを音楽で表現した傑作です。右手の美しいメロディーラインと、左手の規則正しいワルツのリズムが織りなす調和は、聴く人の心を優しく包み込みます。
難易度は中級程度とされていますが、ゆっくりとしたテンポから練習を始めれば、少しずつ弾けるようになります。とくに中間部の優雅で抒情的な旋律は、表現力を磨くよい練習にもなるでしょう。
3.トルコ行進曲|モーツァルト
モーツァルトの「トルコ行進曲」は、クラシック音楽のなかでもとくに親しまれている作品です。実はこの曲、単体の作品ではなく「ピアノソナタ第11番」の第3楽章にあたります。しかし、あまりにも有名になったため、現在では独立した曲として演奏されることが多くなりました。
曲名の「トルコ」は、18世紀のウィーンで流行していたトルコ軍楽に由来します。モーツァルトは当時の音楽的流行を取り入れながらも、自身の個性を見事に表現しました。とくに左手の部分は、トルコ軍楽の打楽器を模倣した効果的な伴奏になっています。
明るく華やかなメロディーは、弾いているだけで気分が上がります。難易度は中級程度とされていますが、リズムもわかりやすく、指使いを覚えてしまえば流れるように演奏できるのが魅力です。
4.カノン|パッヘルベル
結婚式や卒業式でおなじみの「パッヘルベルのカノン」。正式名称は「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調」という長いタイトルですが、一般的には単に「カノン」と呼ばれています。
「カノン」とは「輪唱」を意味する音楽用語です。この曲では、3つの声部が2小節ずつずれながら同じメロディーを繰り返す構造になっています。その美しい和音進行は「カノンコード」として現在でも多くの楽曲に使用されており、まさに音楽界の至宝と言えるでしょう。
300年以上前に作曲されたにもかかわらず、1970年代に再注目されてから世界中で愛されるようになりました。永遠に続くような美しい旋律は、時代を超えて人々の心を癒やし続けています。
ピアノ版では、右手で主旋律を、左手で和音伴奏を担当することが多く、初心者でもゆっくりとしたテンポから練習すれば十分に楽しめます。
5.アラベスク|ブルグミュラー
ピアノ学習者なら必ず通る道、それがブルグミュラーの「25の練習曲」です。そのなかでもとくに人気が高いのが「アラベスク」。技術的な練習曲でありながら、音楽的な美しさも兼ね備えた名曲です。
「アラベスク」とは「アラビア風の」という意味で、唐草模様のことを指します。曲中の16分音符の流れるような音型は、まさにその優雅な曲線美を音楽で表現したものです。
右手の軽やかな16分音符の旋律と、左手の歯切れのよいリズムが絡み合い、エレガントな音楽を織りなします。演奏指示の「Allegro scherzando(快速に、戯れるように)」のとおり、軽快で楽しげな雰囲気が魅力的です。
6.別れの曲|ショパン
ショパンの「別れの曲」は、正式には「練習曲作品10-3」という名前ですが、その美しすぎるメロディーから「別れの曲」として親しまれています。実は「別れの曲」という呼び名は日本独自のもので、1934年のドイツ映画でこの曲が使われたことに由来します。
ショパン自身は「私の一生で、これほど美しい旋律を作ったことがない」と語ったほどの自信作。もともとは故郷ポーランドへの想いを込めて作曲したとされており、郷愁と愛情に満ちた旋律が聴く人の心を深く揺さぶります。
一見シンプルに聞こえますが、実は高度な技術と表現力が要求される作品でもあります。初心者向けにアレンジされた楽譜も多数出版されているので、憧れの曲として挑戦してみる価値があります。
7.人形の夢と目覚め|エステン
「人形の夢と目覚め」は、ピアノ発表会の定番曲として長年愛されてきました。作曲者のエステンはピアノ教師でもあったため、この曲も技術向上を図りながら音楽的な楽しさも味わえるよう巧みに作られています。
曲は3つの部分から構成されています。まず「人形への子守歌」で静かに始まり、続く「人形の夢」では幻想的な雰囲気を演出、最後の「目覚めた人形の踊り」では華やかに締めくくられます。それぞれの場面で異なる表現が求められるため、音楽的な成長にも繋がります。
難易度は初級から初中級程度で、基本的な技術を身につけるのに適した要素が含まれています。物語性があるため、情景を想像しながら弾くと表現豊かな演奏ができるでしょう。
8.紡ぎ歌|エルメンライヒ
エルメンライヒの「紡ぎ歌」は、糸を紡ぐ女性の仕事ぶりを描いた愛らしい小品です。当時の女性が糸車を使って糸を紡ぐ様子を、音楽で巧みに表現した作品で、聴いているだけで当時の生活風景が目に浮かんでくるようです。
曲は快活な主部と、対照的に落ち着いた中間部から構成されています。主部では糸車の回転や機械的なリズムを表現し、中間部では仕事の合間の休息や物思いにふける女性の心境を歌い上げます。この対比が曲全体に起伏を与え、聞き映えのする作品にしています。
技術的には全音ピアノピースのA難度(初級レベル)とされており、バイエル終了程度で挑戦できます。左手の伴奏は比較的シンプルで、右手のメロディーも覚えやすい構造になっているため、初心者にとって取り組みやすい曲のひとつです。
9.愛の挨拶|エルガー
エルガーの「愛の挨拶」は、世界で最もロマンチックな音楽のひとつと言えるでしょう。この曲には美しい愛の物語があります。エルガーは、婚約者キャロライン・アリス・ロバーツからプロポーズ後に贈られた詩『愛の恵み』へのお返しとして、この曲を愛と感謝を込めて作曲したのです。
2人の間には身分差、年齢差、さらには宗教の違いという当時としては大きな障壁がありました。しかし、真の愛がそれらの困難を乗り越え、この美しい音楽が生まれました。曲名の「Salut d'Amour(愛の挨拶)」には、愛する人への深い敬意と愛情が込められています。
原曲はヴァイオリンとピアノのための作品ですが、ピアノソロ版も広く演奏されています。優美で甘美なメロディーは、まさに純粋な愛を音楽で表現した傑作です。
10.ノクターン 第2番|ショパン
ショパンの「ノクターン第2番変ホ長調作品9-2」は、一般的に「ショパンのノクターン」と言えばこの曲を指すほど有名な作品です。ショパンが約20歳の若さで作曲したこの曲は、彼の全21曲のノクターンのなかでも特別な位置を占めています。
「ノクターン(夜想曲)」とは「夜を想って作られた音楽」という意味で、ショパンがこのジャンルを発展・昇華させました。夜の静寂の中に浮かび上がる美しい旋律は、聴く人を幻想的な音楽の世界へと誘います。
この曲の魅力は、右手のなめらかで歌うような単旋律と、左手のシンプルながら効果的な和音伴奏の絶妙な組み合わせにあります。
難易度は中級程度ですが、初心者向けのアレンジも多数あります。夜の静寂を感じながら、ショパンの繊細な音楽世界を堪能してください。
11.アイネ・クライネ・ナハトムジーク|モーツァルト
モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は、「小さな夜の音楽」という意味のセレナーデです。モーツァルトの作品のなかでもとくに親しまれており、その軽快で明るい第1楽章のメロディーは、一度聴いたら忘れられない魅力があります。
この曲は、ウィーンの社交界での宴会や集まりのために作られたと考えられており、まさに人々を楽しませるための音楽として誕生しました。モーツァルトらしい優雅さと親しみやすさが見事に調和した作品です。
興味深いことに、この作品はもともと5楽章構成でしたが、第2楽章の楽譜が失われてしまい、現在は4楽章で演奏されています。それでも音楽的な完成度の高さは損なわれておらず、むしろその謎めいた部分も魅力のひとつとなっています。
12.ユーモレスク|ドヴォルザーク
ドヴォルザークの「ユーモレスク第7番」は、チェコの作曲家が生み出した愛らしい小品です。「ユーモレスク」とは「明るく陽気で自由な形式の楽曲」という意味で、その名のとおり温かみのある親しみやすい音楽です。
この曲には興味深いエピソードがあります。ドヴォルザークは実は大の鉄道ファンで、汽車の音や動きに強い関心を持っていました。曲の冒頭の細かい音符が汽車の車輪の音を表現しているという説もあり、作曲家の個性的な一面を垣間見ることができます。
1894年にアメリカ滞在中の故郷への一時帰国で作曲されたこの曲は、異国の地で故郷を想う作曲家の心境が反映されているとも言われています。それが音楽の温かみや郷愁感に繋がっているのかもしれません。
この曲は10度音程が多く登場するため、小さな手の方にはとくに難しく、弾きこなすには練習が欠かせません。それでも、表情の変化や調性、リズム、音程など学べる要素が盛りだくさんの一曲です。
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やさしい楽譜の選び方
ピアノを再開したいと思っても、「どの楽譜を選べばよいのかわからない」と迷ってしまう方は多いものです。
楽譜選びは、ピアノ演奏を楽しむ第一歩。ここでは、大人の再挑戦者にとって最適な楽譜の選び方を詳しくご説明します。
入門者向けにアレンジされたもの
ブランクがある方や初心者の方には、まず入門者向けにアレンジされた楽譜から始めることをお勧めします。これらの楽譜には、演奏を成功させるためのさまざまな工夫が施されています。
右手だけで弾ける楽譜から始めることで、まずはメロディーを覚える楽しさを味わえます。両手で弾くことに慣れていない間は、右手だけでも十分に音楽の美しさを感じることができるでしょう。
指番号が丁寧に書いてある楽譜は、正しい運指を身につけるのに非常に有効です。適切な指使いを覚えることで、より難しい曲にもスムーズに挑戦できるようになります。
音名が併記されている楽譜は、譜読みに不安がある方の強い味方です。ドレミの表示があることで、楽譜を読む負担が軽減され、音楽そのものを楽しむことに集中できます。ただし、これは一時的な補助として利用し、徐々に音名なしでも読めるようになることを目指しましょう。
全体的に「譜面が大きく見やすい」「音数が適度に少ない」「左手が単純な伴奏パターン」といった特徴のある楽譜を選ぶことで、格段に取り組みやすくなります。
弾きたい曲が載っているもの
ピアノ上達の最も大切な要素は「弾きたい」という気持ちです。自分が心から好きな曲、昔から憧れていた曲を演奏することが、継続的な練習への最大のモチベーションとなります。
クラシック曲集では、今回ご紹介したような定番の名曲が収録されているものを選びましょう。聴き馴染みのある曲から始めることで、演奏する喜びをより深く感じられます。
映画音楽やJ-POP、アニメソングなどの楽曲を選ぶのもよいでしょう。とくに「サビの部分で盛り上がる曲」は、演奏していて気分が高揚し、練習が楽しくなります。
大切なのは「この曲が弾けるようになりたい」という明確な目標を持つことです。目標があることで、練習にも自然と熱が入り、上達も早くなるでしょう。
CD付きのもの
独学でピアノを始める方にとって、CD付きの楽譜は非常に価値のある教材です。正しいお手本があることで、さまざまなメリットが得られます。
正しいリズムや演奏法を身につけることができるのが最大の利点です。楽譜を見ただけでは伝わりにくいテンポ感やフレージング、強弱の付け方などを、実際の演奏を聴くことで理解できます。
独学での練習における「先生代わり」としての機能も重要です。間違ったリズムや解釈で練習を続けてしまうことを防ぎ、正しい方向への修正が可能になります。
モチベーションの維持にも効果的です。完成形の美しい演奏を聴くことで、「自分もこんな風に弾けるようになりたい」という目標が明確になり、練習への意欲が高まります。
まとめ
今回ご紹介した12曲のクラシックの名曲は、どれも時代を超えて愛される理由があります。美しいメロディー、心に響く和声、そして作曲家たちの人生が込められた深い感情。これらすべてが、ピアノを弾く喜びと音楽の素晴らしさを教えてくれるでしょう。
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あなたの指先から美しい音楽が生まれる瞬間を、ぜひ多くの方に体験していただきたいと思います。一歩踏み出す勇気さえあれば、音楽はいつでもあなたを温かく迎えてくれるのですから。





